このページでは
「室内犬が散歩をする意味ってあるの?」
「室内犬が散歩をするうえで何か注意点はある?」
「散歩後にしないといけないことは?」
という点を、初めてペットを飼うご主人様でもわかりやすく解説しています。
散歩は犬の代名詞ですが、最近では「室内犬は散歩をしなくていい」という人もいますが本当なのでしょうか?
室内犬が散歩をする理由と、外で飼う犬との違いなどを見ていきましょう。
室内犬は散歩をしなくていいって本当?
結論から言うと、室内犬でも散歩は必要です。
散歩は犬の体を作る大切な運動。学校の体育の授業のようものです。
人間だって運動で体作りをしないと、弱い体になってしまいますよね?生後5か月目ぐらいから運動をさせていないと犬の発育に悪影響を与えます。
ただし、以下のような状況の場合は積極的にしなくても大丈夫です。
- 生後4か月未満の子犬
- 適切な運動が出来るほどの器具がある
- 適切な運動が出来るほどの大きな家
4ヵ月未満の子犬は室内の環境だけでも十分運動になるので問題はありません。また、運動が目的の場合、室内環境次第では室内飼育だけで十分な運動が出来ます。
とはいえ、こんな事が出来るほどの大きい家の人は少ないハズ。なので基本的には散歩をさせてあげましょう。
散歩のメリット
犬を散歩させる上でのメリットは何なのでしょうか?
本当に運動だけが目的なのでしょうか。
運動・ダイエット目的
一番の目的は運動とダイエット、つまり体作りが目的です。
説明不要だと思いますが、散歩をすることで脂肪を燃焼し、筋肉が付いて健康的な体作りができます。人間と同じですね。特に室内犬は運動不足になりやすい環境にあります。
ブクブク太った状態は人も犬も健康を害するだけ。しっかり体を動かしてあげましょう。
ストレス解消
もう一つ、人間と同じメリットとしてストレス解消効果があります。犬だって生き物ですからストレスを感じます。
そういう時って人だとゲームをしたり運動をしたり暴れたり…それは犬と同じ。もし、犬がストレスを感じているようだったら散歩と一緒に遊んであげましょう。
季節によるバランス調整
犬は人とは違い、夏と冬で毛の量が違います。これは犬に季節感を感じる体内時計があるから。
ずっと室内にいると、この季節感の体内時計から狂ってしまい、不調の原因に繋がります。
同時に、ずっと室内でいることで太陽の光を浴びられず、ビタミンDの生成が不足することも。
猛暑日や雪が強く降っている日はさすがにNGですが、季節を感じるようにするには散歩が一番簡単です。
社会学習とコミュニケーション
犬社会にもコミュニケーションはあります。
たとえ散歩中では出会わなかったとしても、マーキングでお互いの情報を共有をしています。
この行為によって、犬はお互いに自己紹介をしているのです。
もちろん、他の犬と出会える環境ならより多く学習をしてくれます。犬同士がお尻を嗅ぎあうことがありますよね?それが対面した時の情報交換になります。
あんまり他の犬とマーキングや会話がない場合、人見知り(犬見知り)になる可能性が高いです。
犬を見たらすぐに吠える犬がいますよね?これは性格的な面もありますが、今まで他の犬とうまく社会性を築けなかった可能性が高いです。
出来る限り小さい頃から散歩をさせて、社会性を学ばせてほしいです。
散歩はいつからさせればいい?散歩の回数や頻度は?
赤ちゃんから犬育てている場合、いつから散歩デビューさせればいいのでしょうか?
また、大型犬と小型犬に散歩の回数や時間に違いはあるのでしょうか?
子犬の散歩デビュー
まずは子犬の散歩の散歩デビューから。
散歩デビューの前に最低でも3つのことができるようになって欲しいです。
<散歩デビュー前に出来るようになっておきたい3つのこと>
- 首輪とリードに慣れさせる
- 外の環境にある程度慣れさせる
- 2~3回ワクチンを注射してから
最初にしてほしいのが、首輪とリードに慣れさせること。
首や体に巻き付けるものなので、最初のうちは不快感を覚えます。いきなり本番でこれらを付けて散歩させると、不自由感や痛みなどで散歩をしたがらない・首輪やリードを付けたがらない子になってしまいます。
また、外の環境は音や刺激が強く、正確によっては怖がってしまうかも。結果、散歩をしたがらなくなる可能性も。
ずっと室内だけで育てていたなら、適度に庭に出してあげて外の環境を教えてあげましょう。
一番大切なのが「2~3回予防接種のワクチンを注射してから散歩させる」こと。ワクチンは動物病院で注射できます。
子犬にはプログラムワクチンというプログラムにのっとり、指定された週に4回ほど注射を行います。これをしていないと、病気になるどころか法律違反になる可能性も…。
子犬の散歩はおおよそ3回目のワクチン接種から数日~数週間後に医師からOKが出ます。その後に散歩をしてあげてください。
小型犬(トイプードルやチワワなど)
トイプードルやチワワなど、小型の室内犬はどのように散歩をさせればいいのでしょうか?
小型犬の散歩は1週間に2回程度。20~30分ほどで十分です。可能なら公園などで軽い運動をしてあげたいですね。
小型犬は一般的なペットOKマンションの広さで十分な運動が出来ます。ただ、それ以上に外で体を思いっきり動かせる環境が犬には必要です。
散歩をする時間帯は、快適な散歩がおくれる時間でいいです。真夏日の正午などは犬も飼い主も暑さでバテてしまいますからね。
リードやハーネスは小型犬用のものを使用しましょう。中型犬のような大きな首輪は必要ありません。
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小型犬が痛くならないような設計なので、安価なのに評判がいいです。
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中型犬
体重が11Kg以上の中型犬は出来るだけ毎日散歩をしてあげましょう。1回辺りの時間は30分ほどです。室外犬と同じ感覚で構いません。
1回あたりの散歩の時間は30分が目安。小型犬より大きいので、少し多く散歩をしてあげましょう。雨や気温が極端に高いor低い場合はタイミングをずらしてあげましょう。
中型犬の場合、首輪とハーネス、どちらがいいのか悩むところ。首輪はしつけの時に便利ですが、首に圧力がかかるというデメリットがあります。
一方、ハーネスは体に負荷がかからない分、犬がなかなかいう事を聞かない可能性が高いです。年齢が若いと、すぐに興味のある所に向かおうとするので、ハーネスでは制御できないかも。
なので最初は首輪で散歩をし、しつけが出来るようになったらハーネスに切り替えるのもいいですね。
ちなみに、ハーネスと首輪で犬が感じるストレスに差がないことがイギリスのウェストイングランド大学の研究で明らかになっています。
大型犬(ゴールデンレトリバーや土佐犬など)
体重が20kg以上の犬は大型犬に分類されます。体が大きく重い為、犬の飼育に慣れていない人ではちょっと苦労するかも。まだ子供のころからしつかりと教育をしてあげないと普通の散歩だけでトラブルの元。
散歩は基本毎日2回。1回辺あたり1~2時間以上が必要になります。時間がある人や大きな庭を持っている人でないと飼育は難しいです。
中型犬では許されていた公園などでの運動も、大型犬ではしかるべき場所以外ではほぼムリ。
大型犬は散歩や一緒に遊ぶ以外は室内外のケージの中に入れてあげましょう。出ないと脱走した際、トラブルの元です。
季節による変動は?
散歩は基本的に毎日するものですが、夏と冬は地域やその年の気象状況によって「散歩の行為そのものが危険」な場合があります。
対策や注意点などはないのでしょうか?
夏の室内犬の散歩の注意点
室内犬が夏場の散歩をする際、一番気を付けないといけないのが温度差。
特に室温が22度なのに、外に出ると35度の猛暑だったという場合、その温度差で犬は体に不調をきたします。人も体調を崩します。
散歩をする際は必ずお昼は避けてください。真夏日のアスファルトの温度は50~60度にもなります。この上を素足の犬が歩くと火傷してしまいます。
夕方以降もアスファルトは熱いまま。なので一番ベストの散歩の時間は早朝か夜です。とはいえ、夕方が人にとって一番散歩に連れていきやすい時間ですよね。おすすめなのはワンちゃん専用の靴を買ってあげること。
「犬に対して靴ってどうなの?」という人もいるでしょうが、猛暑や積雪時に愛犬の足を守るためには最良の手です。
詳しくはこちらの犬に靴はオススメ?非推奨?をご覧ください。(後日リンク)
冬
冬は夏に比べて過ごしやすい季節。犬は「雪を好みやすい」という習性があります(全員ではない)。童謡「雪やこんこ」の歌詞でも「犬は喜び 庭かけまわり~♪猫はこたつで丸くなる~♪」とありますよね?
雪を好む習性は「犬がオオカミの末裔」「犬は北国の動物」だから。
北国では移動手段として犬ぞりがありますよね?人類で初めて南極点に到達したロアール・アムンセルさんも犬ぞりを使いました。本来の犬は南極の寒さにも耐えられるほど寒さに強いのです。
とはいえ、室内で暮らしている犬は寒さに弱くなっています。特に小型犬はその傾向が顕著。
小型犬や病気の子・高齢な犬には犬用の服を着せあげましょう。靴もセットだとより完璧。
もちろん、夏服用もあるので一緒に購入するといいですよ。
詳しくはこちらの「犬に服を着せるメリットってあるの?」をご覧ください(後日リンク)
散歩中のトイレやうんちの処理はしっかり!
室内犬・室外犬ともにトラブルになりがちなのが「トイレ問題」。
うんちは処理するのは当然ですが、マーキングを始めとしたおしっこを嫌がる家庭も少なくありません。特に東京を始めとした都会でこの傾向は顕著です。
本来の犬や猫のトイレは砂の上でトイレをします。おしっこやマーキングは木の根元で行いますし、うんちをした後は砂でニオイで隠して痕跡を隠します。野生ではトイレの跡は敵に情報を与えるようなものですからね。
ですが、今の日本の都会ではそういった砂場は殆どありません。必然的にうんちは路上で行いますし、おしっこは電信柱や塀で行うように。
無用なトラブルを回避するために、「犬のうんちは持ち帰る」「おしっこを洗い流せるようにペットボトルも持っていく」という対策をしましょう。
一部の地域の条約では、「トイレは家でさせてから散歩に行きましょう」という文章があります。
トイレは散歩の前に家で済ませましょう。もし外でしてしまった時のために、犬を散歩に連れて行くときは、ビニール袋などを持って行き、ふんを必ず持ち帰って始末してください。
トイレは家の中か敷地内、もしくはその近辺で、その場へ出せばトイレを済ませられる。その犬のトイレとする場所を作ることです。散歩に出る前は充分にトイレを済ませ、出掛けましょう。歩きながら、あっちの電柱こっちのブロック塀、と、マーキング行動をさせながら歩くことは、犬の言いなりになって歩いてしまい、縄張り意識と権勢本能を強化する結果になってしまうのです。
引用元:権勢症候群の犬たちと散歩|日本警察犬協会
ですが、トイレなんて散歩前にもしたくなるもの。盲導犬や警察犬は飼い主・飼い犬の両方がしっかりとしつけが出来ているからこそできる行為です。
こういった行為は日本ぐらい。アメリカや北欧では本能に従って散歩中にさせるのが基本です。とはいえ、「人の敷地ではしない」「ふんは持ち帰る」などのマナーは日本と一緒ですが。
日本の都心部はペットにとってちょっと生きづらい環境なんですよ。
それでもトイレのしつけをしたい!
それでも人間と同じで「トイレをする場所を決めてもらいたい」という人もいるでしょう。
警察犬を育てている南大阪警察犬・愛犬訓練所 によると、トイレ教育は以下のようにやっているようです。
<犬のトイレの場所のしつけ方>
- トイレの予備動作(グルグル廻ったり、クンクン鳴く)を始めたらトイレをしていい場所に連れて行く
- トイレをしてもいい場所に連れて行ったらニオイを嗅がせてあげる
- 指定された場所でトイレをしたら尿か糞かを指でさして褒めてあげる
- 犬は1日に何度もトイレをするので、失敗しても怒らず何度も繰り返す
- トイレの時間を決めて行うと効果的
おおよそ4日~1週間もすれば多くの犬がトイレの場所を覚えて、そこでしてくれるそうです。
更に「指定された時間にトレイをする」ように訓練する場合はドッグトレーナーによる指導が必要になります。
散歩後の対応はどうすればいいの?
外で暮らしている犬は散歩が終われば小屋に帰るだけ。一方、室内犬は家に帰ってからもちょっとした手間が必要です。何が必要なのでしょうか?
足を洗う
家から帰ったら、まずは足を綺麗にしましょう。
足を洗う事で清潔になるのはもちろん、ケガをしていないかの確認になります。
肉球やその周りが赤くなっていたり出血していた場合は病院に連れていってあげましょう。
お風呂
足を洗うのとセットで、体全体も洗ってあげましょう。
人間だと石鹸やシャンプーで体を洗いますが、犬の場合は水(お湯)で洗い流すだけでいいです。
犬用のシャンプーで洗ってあげたいところですが、犬の皮膚の厚さは人の20~30%ほどしかなく非常にデリケート。また、シャンプーで皮脂が落ちてしまい、皮膚の免疫機能の低下にもつながります。
シャンプーをする場合は2週間に1回のペースで行いましょう。
湯舟につける場合は30~35度程度が犬にとってちょうどいいです。この間の温度のお湯を首まで浸からせてあげると犬は気持ちよさそうにしてくれます。
最初は嫌がると思いますので、シャワーは見せず、少しだけ溜めたお湯に入れてあげる程度で構いません。
下のようなペット専用のバスタブも販売していますので、購入の検討もしてみてはどうでしょうか?
ブラッシング
お風呂からあがったらドライヤーで乾かしてブラッシングをしてあげましょう。
ブラッシングは毛並みをそろえだけでなく、毛玉の予防にも繋がります。毛玉は放置すると「痛み」「不衛生」「炎症」といった問題が発生してしまいます。
また、ブラッシング中は犬にかまってあげる必要があるのでコミュニケーションの意味合いも。
ブラッシングは毛の流れに従って行ってください。
特に「耳の後ろ」「首回り」「お腹」「脇(足の付け根)」「内また」は毛玉ができやすいので念入りに。
ブラッシングも最初は嫌がる子が多いので、犬をコミュニケーションをとりながら少しずつ慣れさせましょう。
ノミ対策
散歩から帰ってきた後は清潔にするのは当然ですが、ノミ・ダニ対策も忘れてはいけません。ノミは草むらや他の動物から付くので、いつの間にか感染していた!という事が多いです。
ノミやダニは犬の体、人体、室内に悪影響を及ぼします。
<主なノミのトラブル>
- 瓜実条虫(サナダ虫)感染症による肛門のかゆみ、下痢、体重減少、けいれん(犬)
- ノミ刺咬症による痛み、かゆみ、脱毛、貧血、化膿(人・犬)
- ノミ性アレルギー性皮膚炎による痛み、かゆみ(人・犬)
ブラッシングを行う際は、ノミ取りも併用して行ってください。
ノミ取り用のクシはペットショップやホームセンターなどで取り扱っています。特にへ「っとショップだと、その犬に合ったものをアドバイスしてくれるのでオススメ。
ケルベロスが室内犬の散歩に対してまとめる「3つの大切なこと」
- 室内犬だからといって「散歩をしなくていい」ということはない
- 散歩は「犬のサイズ」や「季節」によって変わってくるので、その子に合ったことをしてあげよう。
- 散歩から帰ったらちゃんとケアをしてあげよう
散歩は室内犬でもしっかりしてあげましょう。多くの室内犬は小型が多いので、この場合は30分で大丈夫。大型の場合は2時間必要な場合も。
一方、小型犬は熱や寒さに弱いので、洋服や靴を着させてあげると快適な散歩ライフが出来るよ。
犬のうんちの処理は飼い主のマナー。トイレをしてはいけない所、していい所をしっかり教えてほしいんだワン。
散歩をしたら体を綺麗にしてあげよう。散歩をすると汚れやノミが付いている可能性があるから、丁寧にケアしてほしいワン。
嫌がる場合は簡単なことからでいいからね。
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